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2008年 10月 03日
皆さんは「蔦」の名前の由来をご存知でしょうか。 調べてみるとなんと、その這い<つたう>姿から、蔦と呼ばれるようになったそうです。 名は体をあらわす、とは良く言ったものです。 この蔦、近くでよく観察すると、なにやらツルからにょきにょきと、カエルの足のような吸盤のついた枝がでています。小さいのに、壁にしっかりとしがみついて、元気一杯に生い茂る葉を支えています。 実はうちの事務所の壁にも蔦が茂っていて、 油断をしていると時折玄関ドアにまでツルを伸ばしてくるので、 それを剥がそうと格闘するのですが、かなり力を入れて引張らないと剥がれません。 葉にかくれてあまり見えないけれど、不思議な形をしたこの吸盤達が、 どんな風雨にも負けない丈夫な支えとなり、たくさんの養分を葉に与えるべく、 より良い環境を目指してゆっくりと壁をつたうその様を見ていると、とても愛らしく思えてきます。 そんな健気な蔦の姿から発想を得て、手摺のデザインに表してみました。 壁にしっかりと支持させながら、柔らかく壁に沿って伸びる手摺子は、 腰壁の上で握りやすい位置に向い、ツルのようにちょっとかしげて手摺を支えます。 手摺の下には、覆いかぶさる葉のごとく、腰壁の汚れを防ぐ笠木をつけました。 手摺子を床から立ち上げず、壁から支持することで、部材が小さく済み、 シンプルで自然な表現ができるばかりでなく、 床からの支持のように手摺子が長い時間雨水にさらされることもないので、 汚れにくく丈夫で長持ちするのです。
by tac-h
| 2008-10-03 15:38
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