階段の存在はインテリアである家具や照明と同じように見て美しく、また楽しく親しみのあるものでありたい…。
素材の取り合わせ、バランス、手すりの形状、ささらとの納まり、床板との納まり。こういったことに気を配って設計された階段は、すんなりと建物に馴染み、ふと腰掛けてひと休みしたくなる場所となります。
構造を鉄骨にしているこの階段には、踏板にナラの集成材を使っています。その質感はやさしく、色も室内の壁に合わせています。 鉄を使う箇所、木を使う箇所を適切に使い分けることで、 強さを保ちながら、軽やかな階段ができるのです。
朝のコーヒーを楽しんだり、新聞を読んだり、“そこで”過ごしたくなる心地よい場になる、そういう階段になるように心掛けています。
(撮影:新建築住宅特集誌写真部 井上登)