和室は、第一義的には出入りのため、そして通風や断熱、遮光など、様々な用途や部屋の広さや天井の高さといった条件により、実に多くの種類の出入り口を持っています。
普通の引き戸をはじめ、ガラス戸、襖、障子や潜り戸、にじり口など、大きさや材質も様々なら、そうした引き戸たちが、かもし出す雰囲気もまたそれぞれに表情豊かです。
襖紙の色や絵柄によって、部屋は軽やかにもなれば重厚にもなりますし、障子の桟の幅や細かさによっても、おおらかな雰囲気になったりピーンと緊張した、きりりとした雰囲気となったりします。
和室において、こうした「引き戸たち」の果たす役割、決してあなどれるものではないのです。