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2006年 02月 08日
20年余りも前になりますが、茨城に、足繁く通いつめた末に竣工したひとつの住まいがあります。時を経て、同じ街についこの間、もうひとつ住宅を手掛け竣工しました。この二つ住まいのそれぞれの建主の間には偶然にも不思議なご縁がありました。ここにその二つの住まいをご紹介します。
この地で初めにご縁となった建主との出会いは、都心で工事中の建物を見てご連絡を頂いたことがきっかけでした。地元の古くからの地主さんで、当時から自動車販売から宅地開発まで多角的に事業を展開されていました。当時は、赤羽至由でJR宇都宮線に乗換え、大宮を抜けて栗橋の先、利根川を渡ると緑豊かな林を車窓に見る間にその街につく、ちょっとした小旅行の気分でした。駅前はタクシーもなく欅のある小さなロータリーがあるばかりでした。 敷地は、遠くに蒼くかすむ筑波山を望む国道沿いにありスケールも半端ではなく、南北に奥まった広大な土地には、木々や草花の中に七棟もの古民家が軒を連ねていました。敷地の説明には航空写真を渡され、その驚きのフィルムは今でも事務所の何処かに眠っています。 解体から着工・竣工まで、母屋・納屋・倉庫・車庫、外構、庭園計画まで含め二期に分けた工事は、足掛け二年半程の工期になったと記憶しています。 竣工祝いにはお神楽や色々な催し物に街の人々がたくさん訪れ園遊会の面持ちで、庭園の芝の上での茶の野点にと、さながら絵巻物のような優雅な風景でした。 建物は、道路にそって門と納屋を配し、造園された玄関までの長いアプローチで母屋を引込み、軒高を低く見せるようポーチスラブの軒線から二段に屋根を浮かせた構成にしています。お仕事柄来客も多く、フォーマルな空間とプライベートな生活空間を微妙な高低差で区切りつつ閉じることなく、中庭を囲んだ見通しのよい透明度の高い空間としています。 それから早や20余年が経ち、今は通い詰めた小さな旅の風景と業者との格闘の日々が懐かしい思い出として残っています。 その間に、建主はその街の町長さんとなり、束の間に市との合併が決まりその市長選にも出馬され当選、市長さんとして活躍なさっています。 その思い出の街で、今度は若いご夫妻の家づくりのご縁となりました。ご縁とは不思議なもので、お会いした時にそのご主人の勤める町役場の町長さんがなんと偶然にもかの建主さんだったのです。20余年を経てまた新たに同じ街に通うこととなりました。 今では直通の急行で都心から一時間少しで着き、賑やかなショッピング街もあり、駅前には高層マンションも立ち並んでいます。風景の変わり様に時の流れを実感しますが、駅から暫く車で行った先にはかつての田園風景の面影も残っており、そんなのどかな景色の中にこの若いご夫妻の住まいが佇んでいます。 外断熱で内部は木造の梁柱をそのまま仕上として、無垢の床と天井の木目に左官の壁でナチュラルな雰囲気に仕上ています。外壁は2階部分を左官塗り、1階腰部分と外構塀を一体化して杉の甲板を貼り、木目を活かした黒の塗装で、敷地を自然に囲んでいます。 この地に始めてご縁となった住まいは今では、歳月を重ねすっかり街の風景となっています。この若い住まいもこの街にゆっくりと時を刻み、自然に風景となってゆくことを願っています。
by tac-h
| 2006-02-08 20:33
| こだわり
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